8月5日。
マテリアは壁に掛かっているカレンダーをふと見た。
「……今日は、何の日だったかしら。」
―そう。今日は私の誕生日……。



「うぉーい。朝飯だぞー。」
ボテリア家の主夫(?)、セタの声。家事一般を任されている彼は、今日もせっせと家事に忙しい。
「うわー!セタ兄ちゃん!今日の朝ごはんなぁに?!」
「なぁになぁに〜?!」
バタバタとリビングへやってくるのはボトムとディッパー。毎度お騒がせなお転婆娘たち。
「ボトム、ディッパー。煩いわよ。」
ちゃっかり先に座って、お行儀良く右手にナイフ、左手にフォークを持って待っているのはマテリア。クールビューティ。
ボテリア家は今日もみんな元気だ。


「……んね、ボトムッ!」
朝ごはんを終え、4人が思い思いの場所で生活しだす時間。ディッパーがこそこそとボトムに耳打ち。
「ン?どーしたの、ディッパー。」
「あのさッ、今日ってマテリアの誕生日なのだよッ!知ってたッ?!」
「………………………………も、もちろんッ、、、!」
実は知らなかったー!ボトムは心中穏やかではなかった。…ち、近くにマテリアは居ないよねェ?!(ダラダラ)
「んでさぁ!マテリアのこと、驚かせない??」
ディッパーは悪戯っ子のように目を輝かせていた。彼女の話はこうだった。
「ビックリ誕生日ぱーちぃ!いつもクールで冷たいマテリアを、驚かせて、笑顔にさせちゃおーよ!!
セタ兄ちゃんにも手伝ってもらってさ??―あ!マテリアにはもちろん内緒、だかんね!!!」
ディッパーは、しぃっと人差し指を唇に当てた。そして、くすくすっと可笑しそうに笑った。
「すんごい楽しみッ!!!セタ兄ィちゃんにも言ってこなくちゃ!!!」
ディッパーはスタタッ!と行ってしまった。


パーティはめっちゃ良い案だと思う。
しかしそうしたらプレゼントを買ってこなければいけない…。
プレゼント……。
…………あぁっ!!どうしよう!!!!

ボトムは考えた。
怪しい物は買いに行けない(つーか行きたくない)し、だからと言って可愛い物は多分嫌な顔するだろうし……。
彼女は広場までやって来たが、マテリアへ何をプレゼントしたら良いのか良い案が思い浮かばず、頭を抱えていた。
そのときだった。
「ボトム。どーした?頭なんぞ抱えて。」
「……セタ兄ちゃん…。」
神が降臨した。彼女は後々、この瞬間のことをこう語っていた。
「や、マテリアになにをプレゼントしたらいいのかなぁって………。」
考えてて…。と、消え入りそうな声でボトムはセタに言った。
彼は、顎を手のひらで撫ぜながら暫し考え、こういう提案を持ち出した。
「だったらよ、自分が好きなもんあげちまえ。」
「自分が好きなもの…?」
キョトンとしてセタを見上げたボトム。セタはニヤリと笑って彼女の頭を撫でた。
「そう。ボトムが好きなもん。あんだろ?」
「で、でも!マテリアが喜ぶかわかんないじゃん!!」
ねぇねぇ!とセタの服の裾を引っ張るボトム。
「あのな?ボトム。プレゼントってのは気持ちが大事なンだよ。あげる奴の気持ちがな。だから、お前ェの気持ちさえありゃいーの。」
そんじゃ俺、買い物あっから。と、ボトムの頭をくしゃ、と撫でて行ってしまった。ボトムは彼の背中を恨めしそうに眺めていた。

………くそぅ…。無理難題を突きつけやがって…。

しかし、さっきよりは道が開けたかもしれない。ボトムは、よっしゃ!と気合を入れて、ずんずんと歩いて行った…。



「………ねぇ。今から何が始まるわけ?」
目隠しされたマテリア。傍にはウキウキしているディッパー。そして顔色が優れないボトム。
「いーから、いーからッ!マテリアはじーっとしててネ☆」
ディッパーがマテリアの手を引っ張りながら言った。
「あとちょっとなんだからー☆」
言いながら、マテリアを引っ張る。目指すはリビング。当のマテリアと言えば、

…この人たち何してるのかしら。また変なこと始める気ね?私を巻き込むの止めて欲しいわ。

などと考えていた。
「さ!着いたよ、マテリア!…あ!!でもまだ目隠し外しちゃ駄目ね?いーよって言うまでダメだよー?!」
ディッパーはそう言ってマテリアの手を離した。そして、いそいそと何かを取り出した。リビングにはセタがいた。
テーブルの上には豪華なご馳走がたくさんだ。
ボトム・ディッパー・セタの3人は手にクラッカーを持った。そして…
「「「いーよっ!」」」
同時に声をあげた。そしてマテリアが目を開けた瞬間…………


パァンッ!!!


「!!?」
「「「マテリア!お誕生日おめでとう!!!!」」」
目を開けるとそこはいつものリビングではなく、華やかな飾りが施され、テーブルの上にはいつも以上に美味しそうで豪華な料理が並んでいた。
「……これは…?」
「んもう!今日はマテリアの誕生日でしょ!?だから、ビックリ誕生日パーティだよッ!!」
嬉しそうにディッパーが言った。
「んでわでわ!プレゼントたーいむっ!!!」
ビクッ!ボトムがその言葉と同時に肩を震わせた。
「あたしはねー、これ!!!」
ディッパーが差し出したのは、不思議な色のカエルのぬいぐるみ。
「……………何この色。」
「えー!?マテリアみたいだなって思って!!」
えへへ!と笑うディッパー。マテリアは心底嫌そうな顔。
「俺んプレゼントはこの料理。美味いだろ?」
マテリアの反応はというと、何も言わずに黙々と食べていた。
「…ま、マテリア…。こ、これ……。」
おずおずとボトムが差し出したのは、1本の四葉のクローバーと1本の向日葵。
プレゼントに困ったボトムはあの後1人森へ行き、クローバーと向日葵を探していたのだ。
「……………。」
マテリアは差し出されたクローバーと向日葵を無言で見つめていた。そして、ナイフとフォークを置いて立ち上がった。



「…………今日は、ありがとう。………プレゼント、………ぅ、嬉しかった。」
素っ気無く、返した皆へのお礼。それだけ言えば、彼女は座って、再び食べ始める。しかし彼女の頬は赤く、耳までも染めていた。


ボテリア家は、今日も皆元気で仲良し。





後書きという名の言い訳
ごめんなさい………orz
みなさんの口調は想像です…orz
ボテリアの皆さんは仲良しだっていうのとか、色々書きたかったんです…………orz
見事に撃沈してしまいました…(滝汗)
逆キリがこんなので、よ、よかったのでしょうか…?(滝汗&涙)


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