「あぁ?!お前が傭兵志願だぁ?だぁめだだめだ!
けつの青い嬢ちゃんぁとっとと帰りな!」
「待って!待ってください!私だって、ちゃんと働けます!」

―――――――――――――――――――― 剣士修行中

「ってぇわけで、どーーーーっしても俺達と働けるってぇ
ピーチクパーチクうるせぇんで、入れてやった、カイツだ。」
大きな冒険の話があった。
突如開けた極寒の地。
氷雪の世界へ、科学者達が乗り出そうとしていた。
気温はもちろん、環境も土地柄も全く違う、未知の世界。
そこへ向かう科学者の護衛として傭兵を募集していた。
彼女はそのチラシを片手に握り締めたまま、ペコリと頭を下げた。
「カイツです、よろしくお願いします」
二つにくくった黒い髪が、動作にあわせてピョコンと揺れる。
顔をあげた彼女の瞳に映ったのは、明らかな侮蔑の表情。
お前に何が出来るんだ、といわんばかりの。

立派な剣士になるために。
彼女は志願した。
前線で戦えば、それだけ早く強くなれる。
どれだけバカにされても、小娘と侮られても。
譲れない夢があった。

「自分のことは自分でしな。俺達は共同戦線を張っちゃいるが
基本的には群れて行動するもんでもねぇしな。」
彼女を紹介した男が視線を向けて言った。
短い黒髪を細くちぎった麻布で縛り、片方の目を眼帯が覆っていた。
がっしりとした体型は均整がとれている。
彼と比べれば、確かに彼女の姿は子供同然で、頼りなく映った。
「はいっ!」
それでも、志だけは誰にも負けない。
彼女はそう思っていた。




一団が出発して、男の中で女が生きていくことの苦労を知った。
女のための脱衣所なんてない。
着替えも食事も、用を足すのも。
何もかもが男と一緒だった。
年頃の娘がいれば、ちょっかいをかけたくなるのも男の性。
何度も危ない目にあった。

志は誰にも負けない。
けれど。
けれども。
こんな目にあうために志願したんじゃない。
彼女は男たちが寝静まったあと、配給された毛布に顔をうずめて泣いた。
こんな姿をみせれば、また彼にバカにされる。
そう思っても、零れ落ちる涙は流れ続けた。



彼女は孤立していた。
女としての役目も果たさない。
彼女に襲い掛かった男達は口を揃えて彼女をののしった。
志だけは誰にも負けない。
その思いだけが彼女を奮い立たせていた。

「だから。いったろぅが、けつの青い嬢ちゃんは来るんじゃねぇって」
夜、椀に入ったスープを1人ですすっていた彼女の元に
眼帯の男がやってきてそう言った。
彼女の許可を取ることもなく、どっかと横に座る。
「…よ、余計なお世話です」
バカにされたのだと思った。
彼女は顔を真っ赤にして、俯く。
「そうじゃねぇ、そうじゃねぇよ。お前は確かに。
街の女どもよりうまく剣が扱えるのかもしれねぇ。
だがな?それでもお前は女なんだぜ?こんな男所帯に紛れて
辛い思いしねぇわけねぇだろうが。」
ぶっきらぼうな言葉。
男は、自分の椀に入ったスープの具をガツガツと食べながら言った。
彼女の方もみずに。
「わかってます。でも、私も強くなりたいんです。
立派な剣士に、なりたいんです。女だから、その夢捨てるなんて…できないんです」
「ふん、そうかぃ。好きにすればいいさ」
小さな小さな優しさが、嬉しかった。



幾度目かの夜が過ぎようとしていた。
小さな魔物との小競り合いが続き、疲れているはずなのになかなか寝付けなかった。
そして。
突如、吹雪いていた風が、やんだ。
怪訝に思い、寝床から這い出した彼女は、見た。
そこに立つ、巨獣の姿を。
白いけむくじゃらの姿、長い爪。
一薙ぎで簡易テントごと吹き飛ばせそうな大きな手。

まだ、誰も気づいてないようだった。
見張りはどうしているのか。
「あぁ…ひどぃ」
仲間を呼ぶ間もなく、絶命している男の姿が2人。
白い雪に流れた紅が目に焼きついた。
獣は次の獲物を探して、その金色の瞳を動かしていた。
このままじゃ…皆、気づかないうちにやられちゃう!
彼女は、寝床から持ち出した剣を鞘から抜き放ち。
「うあぁぁぁぁぁぁっ!!」



「…ぃ……お、……おぃ…おぃ!カイツ!」
声がした。
その声に引き寄せられるように開いた彼女の瞳に映る男達。
周りを取り囲むように立っている姿にパチパチと瞬き。
「あれ…?皆さん、何して…あ!そうだ!魔物!魔物は…?!」
徐々に覚醒してゆく頭の中によぎった紅が彼女を飛び起こさせた。
そんな彼女の体を、男がさえぎる。
「大丈夫だ、やっつけたよ。お前が、1人で」
困ったような、喜んでいるような表情で、眼帯の男が言った。

「あんな鬼神みてぇな顔してよ?」
「やるじゃねぇか、お前」
「こないだは悪かったよ、カイツ」
男達が口々に褒め称えた。

認められた。
認められた。
自分の力で。

「よぅ、カイツ、いつまでも寝てる場合じゃねぇぜぇ?さっさと仕度してついてきなぁ!」
「はいっ!!」

――――――――――――――――――――――――
だいぶと長くなってしまったけども。
5番目挙手のカイツちゃん、出来上がりましたぜぇぃ。
いや、すいません・・・_| ̄|○・・
妄想全開で。
今、ICEにいるらしぃので場面設定はそんな感じで。
あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!もーこんなのしか書けなくてすいません。
今度じっくり絡んで、カイツちゃんを観察します。えぇ。


――――――――――――――――――――――――
ハクギンさんありがとうございましたッ…!!!(感涙)
妄想全開万歳ッ!!って感じです(笑)
これを書いていただいた後、初絡みしたんですよね☆
いやぁ、私ってこんなに凄いんだ…(*ノノ)(ォィ)
ハクギンさんの文才には憧れます…(*´∀`)
また会ったときはよろしくお願い致します☆




戻る

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送